FAQ


社会保険労務士がよく受ける質問をまとめてみました。

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Q1:当社ではベアが男女によって差がついています。このようなやり方に問題はないのですか?

A:性別のみが理由であれば明らかに男女差別となり早急に改善すべきです。労働基準法では,賃金に関する男女差別は禁止されています。

性別を理由として昇給に差をつけるというやり方は速やかに改め,能力や実績を基準とした合理的な昇給制度を確立すべきです。もちろん,男女平等に機会を与え,かつ公明正大に能力・実績を評価した結果であれば,たまたま男女間で賃金に格差がついたとしても,それは男女差別とはなりませんので,何の問題もありません。


Q2:週40時間制が実施されますが、注意点を教えて下さい。

A:平成9年4月から中小企業にも週40時間制が適用されます。労働省では混乱を避けるため当初2年間は指導期間とする方針のようです。詳細はこちらをご覧下さい。


Q3:職員とパートとアルバイトとで、法的な違いは明確にあるのでしょうか。

A:

労働基準法や健康保険,雇用保険で社員とパートやアルバイトとで扱いが多少違うのは,労働時間が異なるので,その結果として差が付いているといえます。ですから,雇用区分による法的な違いは実質的にはないといえるでしょう。


Q4:現在勤めている会社を退職し、独立して自営業として開業することにしました。この場合、この会社でかけていた雇用保険の給付はどのようになるのでしょうか?

A:雇用保険は就職しようとしているにもかかわらず、就職できない期間給付されるものですから、自営業として開業される場合は給付は受けられません。これは、自営業の利益があるかどうかには関係ありません。しかし、受給可能期間中に自営業を廃業した場合は受給資格があります。受給可能期間は12ヶ月ですが、自己都合の退職の場合、3か月の待機期間があります。また、病気等により就職活動ができない場合は受給可能期間が延長されることもあります。(受給期間が延長されるわけではありません。)


Q5:8月末に出産予定の妻が、勤めていた会社を6月末に退職します。今後の社会保険の加入と出産手当金のことについて教えてください。

A: あなたは、
 @任意継続被保険者になるか
 A夫の健康保険の被扶養者になるか
の選択ができます。

どちらの場合でも、出産育児一時金(または配偶者出産一時金)は1胎児につき30万円支給されます。
出産手当金については計算方法は@Aともに同じなのですが、@の任意継続被保険者の場合は標準報酬月額が30万円で頭打ちとなります。一方、Aの夫の被保険者となった場合は退職時の標準報酬月額をもとに手当金の額が決まります。
また、保険料についてはAの場合は負担がありませんが,@の任意継続被保険者では,退職時の標準報酬月額による負担があります。例えば、標準報酬月額が頭打ちの30万円の場合で計算すると、月額24,600円になります。

ただし、分娩日が資格喪失後6ヶ月を超える場合は話が変わってきます。ご主人の健康保険から配偶者出産一時金は支給されますが、それだけで終わりです。この場合では@の任意継続被保険者になっていれば、退職時の報酬(30万円が上限)をもとに 出産手当金が支給されます。任意継続の場合の窓口は社会保険事務所になります。

以上のことから、退職後、6ヵ月以内に分娩することが確実な場合はAの夫の健康保険の被扶養者になるほうがよいでしょう。そうでない場合は、保険料負担と受給できる出産手当金の額を考えて決めればよいでしょう。なお、任意継続の被保険者期間が2年間であることも注意してください。

ちなみに、出産育児一時金を受給した場合は夫が配偶者出産一時金を受給することはできません。


Q6健康保険の被扶養者の範囲について教えてください。

A:健康保険では、被保険者の家族にも給付があります。その被扶養者となる要件は以下のとおりです。
1.主として被保険者によって生計をたてていること
2.被保険者の直系尊属、配偶者、子供、弟妹、または被保険者と世帯が同じ3親等内の親族など

ここで,「主として被保険者の収入で生計を立てている人」とは,恒常的な年間総収入が130万円未満(認定対象者が60歳以上の方である場合または概ね更生年金法による障害厚生年金の受給者に該当する程度の障害者である場合にあっては180万円未満)であって,被保険者に生計の大半を依存している方が原則です。

社会保険事務所の文書では上記のようになっています。「被保険者に生計の大半を依存している」というのは、通達によれば、年収が2分の1未満となっています。でも,結構あいまいな記述がありますね。恒常的とかとかはどの程度を指すのかは,明文化されていないようです。ケースバイケースで考えるということなのでしょうか?

上記の要件を満たさない場合,健康保険の被扶養者でいることはできません。単独で,国民健康保険に加入するか,その事業所で自分が被保険者になって健康保険に加入することになります。


Q7:出産育児一時金と出産手当金、また、育児休業給付について教えてください。

A:出産育児一時金と出産手当金についてはこちらを、育児休業給付についてはこちらでまとめてありますので、ご参照ください。


Q8:主人は会社に勤めており,私はパートタイムで働いています。私の収入がどの程度ならば,年金や健康保険,また主人の配偶者控除や配偶者特別控除の対象になるのでしょうか?

A:
 通常,サラリーマンの配偶者は国民年金(第3号被保険者という)に加入します。保険料を別に支払う必要はありません。また,健康保険も被扶養者になれます。
しかし,ご質問のケースのように,パートタイムなどで収入によっては,被扶養者から外れてしまうこともあります。被扶養者の範囲については,2つ前の質問と回答(Q6)に書いています。要するに130万円未満なら,問題がないようです。

税金に関しては専門外ですが,わかる範囲で説明します。
よく知られているように,あなたの給与収入が103万円未満のときは,あなたの給与に対する所得税はかかりません。越えた場合は,大雑把にいって、越えた金額の10%と考えておけばいいでしょう。
ご主人の配偶者控除と配偶者特別控除はあなたの給与収入に応じて,以下の表のとおりの金額になります。

給与収入

控除額
配偶者控除 配偶者特別控除
70万円未満 380,000円 380,000円
75万円未満 330,000円
80万円未満 280,000円
85万円未満 230,000円
90万円未満 180,000円
95万円未満 130,000円
100万円未満 80,000円
103万円未満 30,000円
103万円
105万円未満 0円 380,000円
110万円未満 360,000円
115万円未満 310,000円
120万円未満 260,000円
125万円未満 210,000円
130万円未満 160,000円
135万円未満 110,000円
140万円未満 60,000円
141万円未満 30,000円
141万円〜

 よく,パートタイムで働く場合に収入が103万円を超えても,税金が高くなるだけで,手取りは増えないといわれますが,所得税や配偶者控除,配偶者特別控除を考えるとそうでもないことがわかります。
 簡単な試算をしてみましょう,例えば,ご主人の給与の所得税の税率が20%だと仮定します。パートの収入が103万円の場合,配偶者控除の38万円が受けられます。パート収入が113万円の場合,配偶者特別控除の31万円となり,所得税は1万円程度です。それに,控除の差額の7万円の20%所得税が多くかかることになりますので,合計24,000円程度になり,収入が10万円増えると,76,000円程度手取りが増えることになります。あなたは、これを多いと感じますか、少ないと感じますか?

ただし,この数字はあくまでも,ラフな計算です(住民税は考慮していません)。目安程度に考えて下さい。


Q9結婚を機に今まで勤めていた会社を退職することにしました。そして再就職先を探しながら、失業保険の給付を受けようと思っています。夫は会社員なのですが、私は社会保険に加入するとき、夫の被扶養者になれるのでしょうか?

A:社会保険の被扶養者の範囲はQ6にある通りです。妻の年収が130万円未満で夫の年収の2分の1未満であることが条件になります。
しかし、失業給付の給付を受けている間は原則として被扶養者にはなれません。ただし、失業給付の給付額が年額換算で130万円未満の場合(すなわち、給付日額が3,611円以下)は、被扶養者として認められる場合がありますので、最寄りの社会保険事務所に問い合わせてみてください。


Q10:
昨年の10月に退職し、今年の5月中旬まで失業保険の受給を受けていました。
6月よりパート勤務につきましたが、社会保険事務所から収入が多いという理由で夫の社会保険の被扶養者に加入するのを拒否されました。
今年の失業保険受給額は697,780円です。
1日の労働時間は7時間、1ヵ月の労働日数は6月は22日間で給与は107,800円の予定です。
パートの年収は130万円以下なのですが、5月までに受給した失業保険も年収に入るのでしょうか?

A:社会保険に関する質問が多いですね。多少繰り返しになる部分もありますが、ご質問にお答えします。
まず、社会保険の扶養者になる収入についての条件は、Q6Q9にある通り、130万円未満で夫の年収の2分の1未満です。失業給付を考え合わせると今年の収入見込みは107,800×7+697,780=1,452,380となり、130万円を越えています。社会保険事務所はこれを指摘したのでしょう。しかし、「恒常的な年間総収入」となると、107,800*12=1,293,60となり130万円未満です。どちらをとるかは、見解が分かれるところです。
しかし、もう一つ忘れてはならないものがあります。お勤めの会社が社会保険適用事業所(法人または従業員が5人以上の個人事業所)の場合は、事業所での社会保険の加入義務があります。このケースではパート勤務とはいえ、労働時間や労働日数が、正社員の4分の3を越えている事は明らかです。この場合は、たとえパートとして雇用しても、会社で社会保険に加入しなければなりません。
もし、あなたが、後者の条件に当てはまらない場合は、もう一度社会保険事務所に詳しい説明を求めてください。そのとき、今後予想される年収が130万円以下であることを説明してみてください。


Email:oro@netoffice.co.jp

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